遥と会えなくなってから…1ヶ月半が過ぎた

季節は晩秋を迎え、街路樹の葉も色を変えて舞い始めた

小夜は夕べ、店の手伝いが終わった後、トニーから届いた手紙を読ませてもらった

環との間の出来事は想像できない悲しい過去だった

一晩中二人のことを考えていた

…環さんのバレエ…夢を諦めなくてはいけなかった辛さ…
きっと身を切られるような…
深い穴に突き落とされるような…
物凄い悲しみだったんだろうな…
ハルは…環さんの気持ちに寄り添っているのかな…
償いをするために…
責任を果たすために…
けれども…何年も経っているのに…
結婚して一度は離れたのに…
どうして…また…

目を閉じて顔をブンブンと横に振り、息を吐く

…待つの!ハルの事を信じて…
さあ!今日も仕事に集中しなくちゃ!
ハルが帰ってきてガッカリされないように…
格好いい女性に…なっていなくちゃ
笑って迎えなくちゃ!

信号が青に変わりペダルを力強く踏み出した