*side 紫子*

良人がこんなに感情的になるなんて……。

良人……何言っても無駄……か。

『良人! しっかりしてよ!!
 ボク、お姉ちゃん探してくるから。
 待っててっ……』

ボクが家を飛び出そうとした、その時……

ーーーーーガシっ!!

腕が引かれた。

『っ良人?!』

「……紫子までいなくならないでよ。
 僕を、1人にしないでよ……。」

『でもっ、……。』

良人……泣いてる……?

『わかったよ、大丈夫。
 ボクがここにいるから……。』

お姉ちゃん……どこにいるんだろう……。

どうすればいいんだろう?

「スー……スー……。」

良人、寝ちゃった。

もしかしてお姉ちゃん、四天王に拉致られた……?

そんな嫌な考えが脳裏をよぎった。

ダメダメっ……。

そんな考えを揉み消すようにボクは頭を振った。

大丈夫、お姉ちゃんは絶対に帰ってくる。


……そう思ってたのに、お姉ちゃんは結局帰ってこなかった。