少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


ーーーーービターンっ!!

……転んでしまったぁー……。

「……ぷっ、あっははっ!!!
 大丈夫かよ。」

そう言いながら、手をかしてくれた春樹。

やさしーぃ!

僕の不幸体質その2

何もないところで転ぶ。

「じゃ、1回家に帰って○◆駅集合な。」


ーー西藤家ーー

「ただいまー……って誰もいないか。」

僕の家に住んでいるのは、僕と12歳歳の離れた姉の西藤 優美〈さいとう ゆうみ〉の2人だけ。

両親は7年前、僕が小学4年生の時に飛行機事故で死んだ。

それからは、姉さんと2人暮らし。

仕事が忙しい姉さんはほとんど家にいない。

……そろそろ準備するか。

僕はユルいデニムにTシャツといった、シンプルな格好で出掛けることにした。

財布とケータイと家の鍵を持って家を出る。

向かいの家から人が出てくるのが見えた。

「絆那!!」

「ヨシくん!!
 これから、駅行く?」

僕の家の向かいは絆那の家。

だから絆那は、いとこだけど、幼馴染みだし、兄妹みたいな感じ。

「うん。」

「じゃ、一緒に行こ♪」

「うん!」