少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


『おい、待て。 蒼園。』

今まで聞いたことがないような、紫子の低い声。

相当怒ってんな……。

……あれ?

前髪で隠れてた紫子の左目が……!!

右目はいつも通り紫だ……。

左目は……金色……?!

『お前の相手は俺だろーがっ!!』

紫子が……"俺"?!

『紫子、お前っ、その目……
 天界人かっ?!』

『そんなのお前に関係ない!!』

ーーーーーバンっ!!

はっ?!

……一瞬で蒼園が吹っ飛ばされた……。

『……くっ、お前だったのか……。
 じ、き……。』

『黙れ。』

ーーーーーバンっ!!

『ぐはぁっ!!』

もう1度、蒼園は吹っ飛ばされた。

……あれ……?

蒼園の姿が……ない……?

『……っはぁ……。
 疲れたぁ~……。』

……終わった、のか……?

「紫子、蒼園は……?」

『え? 蒼園はね、塵になったの。
 知らない?
 魔界人は死ぬと塵になるんだよ。』

いつもの紫子だ……。

よかったー……。