*side 琉南*
あたし、この紅園という女に殺されるの……?
……やだ……怖い……助けて……助けて!
……銀士っ!!
ーーーーースタっ。
『なんだ琉南。 呼んだか?』
「……ぇ?
ぎんじ……銀士!!」
あたしは人目もはばからず、銀士に抱きついてしまった。
『銀士、逃げたんじゃなかったの?
まぁいいわ。
その女、消したいから退いてくださる?』
『琉南……お前……。
……琉南の望み通り、助けてやるよ。
おい、良人。
琉南見とけ。』
「……うん、わかった!!』
銀士はあたしを良人に託して紅園のところへ行った。
さっきと同じようにカタナガ風を切る音や金属どうしがぶつかる音がきこえる。
あたしは怖くなって耳を手でふさいで、俯く。
その時気付いた。
着ていたパーカーに銀士の血がベットリと付いている。
「……銀士、銀士!!
死なないで、やだっ!!」
「琉南ちゃん!!
銀士は死なないから!
落ち着いて。 大丈夫だから。」
あたしは銀士の血をみて、パニックを起こしていた。
良人に言われて、落ち着きをとりもどしてきたも
「ごめん、大丈夫。」
「うん、良かった。」
ーーーーーニコっ。
そう笑ってくれた良人に安堵した。