少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


*side 良人*

ようやく、絆那とさっきまでいなかった野田さんが戻ってきた。

そのとき……

ーーーーーピーっ!!

〔これより、10分間の休憩に入ります。
 プールには入らないでください。〕

『えぇー、ボクまだはいってるー!』

「しょうがないよ、紫子。
 ほら、コーラ買ってあげるからおいで。」

『今すぐ行く!!』

紫子は最初に僕の家に来た時にコーラを飲んで以来、すっかりコーラが大好きになってしまった様子。

僕は紫子にコーラを買ってあげることにした。

『ふふふ、絶好のチャンスですわ、お兄様。』

『あぁ、一気に始末してやろう……。』

すぐ後ろでこんな話が交わされているとは知らずに……。


ープールサイドー

……にしても、静かすぎるきがする。

人陰もほとんどないし。

何かがおかしい。

「あれ?
 そう言えば、銀士のヤツがいねぇな……。」

『あぁ、それなら気分が悪いって言って、そこら辺で休息を取るって言ってたよ。』

「……"休息"?
 朝から思ってたんだけど、真輝ちゃん様子おかしくない?
 春来くんも。
 いつもは耳が痛くなるほどうるさいのに。
 静かすぎる。
 そしてここ、プールも。」

『ボクもさー、実は気付いてたんだよねー。
 銀士。』