少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


*side 銀士*

ープールー

朝から、胸騒ぎがする。

ここにきてもその胸騒ぎはおさまらない。

何かがおかしい。

でも、いつもと何が違うのかわからない。

まぁ、大抵のことになら俺と紫子でなんとかできる。

「おら銀士、なに険しい顔してんだよ!
 行くぞっ♪」

『あ? あぁ。』

流星たちにバレないように、辺りを詮索するしかない……か。

第一、俺は水が苦手だから泳げないしな。

プールサイドにあるベンチに座って、意識を集中させていると……

『ねぇ、銀士。
 久しぶりじゃなぁい?』

と後ろから声をかけられた。

俺は自分の耳を疑った。

『……?!』

なぜ、あいつの声がきこえる?!

『何驚いた顔してるのよ。
 わたくしがここに来るのは当然でしょう?
 貴方がわたくしたちを裏切ったのですもの。』

後ろを振り返ってみると……

俺の後ろには野田 真輝とかいう流星たちの友達が立っていた。

なんだ、俺の空耳か……。

『空耳なんかじゃないわよ。
 ほら、これ見てみなさい。』

すると、野田 真輝は首にかかっていたかみを左側一方によせた。

紅い、蠍のマーク……。

ってことは……!