少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


「きりーつ、れーぃ。」

「「さよーならっ。」」

やっと終わった、学校……。

「なぁ、良人。」

「ん? なぁに?」

僕の後ろの席の流星がはなしかけてくる。

「プール、男3人だけど、行こーぜ♪」

「うんっ。
 男3人だけっ……」

「ねぇ!!
 あたしたちと一緒に行こうよ♪」

僕、しゃべってる途中だったのに……。

しゅんっ……。

話に割って入ってきたのは、野田 真輝〈のだ まき〉。

春樹と流星と同じく中学生の頃からの仲。

「ほらっ、真輝。
 ヨシくんしゃべってる途中だったでしょ。」

そんな野田さんに喝をいれたのは桑原 絆那〈くわばら はんな〉。

僕のいとこ。

そして、流星の好きな人。

そして、絆那も流星のことが好き。

「ごめんね、西藤。」

「んーん、いいよ。」

「で? 俺らと一緒に行くの?」

「うん、だめ?」

「いや、ダメじゃないけど……。
 俺ら、3人だよ?
 人数的に女子もう1人ほしいなー。」

「あ、それなら大丈夫。
 春樹、気にしないでしょ。」

「そりゃそーだな……。」

「そーだね……。」

春樹は、お馬鹿さんだからね。