少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


「実はさ、姉さんが"なんか嫌な感じがするから、気を付けてね"って言って、仕事にいったんだよ。」

「えっ?! ホント?!」

「うん、本当。
 姉さんの勘はよく当たるからね。」

「あたしも実は今日の朝から嫌な予感がしてるの。」

『……何かが起こるかもしれないね。』

「そうかもしれないけど、何もないと良いね。」

「うん、気を付けなきゃだね。」

『大丈夫!!
 ボクと銀士がいれば大抵のものには負けないよ!!』

「頼もしいね、ヨシくん。」

「うん。」

そう、紫子くんと銀士くんがいるんだから大丈夫。

「あ、そろそろ行く時間だよ。
 行こ!!」

「『うん!』」


ー○◆駅ー

今日もここが集合場所。

あたしたちが駅に着いた時には皆、集まっていた。

……?

何か、不自然な気がする……。

気の……せいだよね。

「よし、行くか。」

こうしてあたしたちは電車に乗り込んだ。


何か、不自然な気がしたのは、ただの気のせいではなかったことも

そして"紫子くんと銀士くんがいるんだから大丈夫"という考えが甘すぎたことも

……この時は知るよしもなかった。