少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


*side 良人*

ー10分前ー

僕と絆那と紫子は外を歩いていた。

紫子にこの町のことを知ってもらおうと思って……。

すると……

ーーーーーバサァ!!

空に上半身裸で黒い翼を持った男が浮いている。

というよりは、その翼で空を飛んでいる。

あっ!! 目があった!!!

すると……

ーーーーースタっ。

僕たちの目の前に降り立った。

その男は、180cmをゆうに超している身長。

吟味の目と髪が印象的なイケメン!!

もしかして、この人も魔界人?!

『げっ、銀士。』

銀色の彼が僕たちの目の前に来てから、急に紫子が顔を歪めた。

『げっとはなんだ、裏切り者。』

銀色の彼は僕たちを見下すように睨み付けてくる。

……こ、腰が抜けそう……。

『あからさまに嫌そうな顔をするな。
 別に紫子を殺しに来たわけじゃないからなぁ。
 おい、お前。』

「あ、僕?!」

『そうだ。
 紫子、借りていくぞ。
 お前には流星と琉南と共に戦ってもらうぞ。』

銀色の彼は、紫子を小脇に抱えて飛んでいってしまった。

「今"流星と琉南"って言ったよね?
 もしかして……!?」