「翼でもついてんの?」

『あぁ、今は隠れてるが……』

そう言うと、おもむろに上の服を脱ぎ出した。

うっわ、鍛えられてるなぁ……。

腹筋とか割れてるし……。

ーーーーーバサっ!!

大きな音をたてて、銀士の背中から大きな白銀の翼が出てきた。

「……すっげぇ……。」

『探しに行ってくる。
 またここに戻ってきてもいいか?』

「もちろん!!
 なぁ、琉南。」

「好きにして。」

ー玄関ー

『行ってくる。』

「行ってらっしゃい。
 気を付けて。」

『琉南さん……。』

「琉南……琉南、でいい。」

え、あの琉南がこんなにも早く"さん"抜きで呼ばせるなんて……。

よっぽど銀士のことが気に入ったんだ。

『琉南、行ってくる。』

そう言うと、銀士は一瞬だけ……本当に一瞬だったけど、ふわって微笑んだ。

つくってない、純粋な笑顔。

「うん、行ってらっしゃい……
 ……銀士。」

え、琉南今、"銀士"って……。

琉南、案外可愛いところ、あんじゃん♪、

「気を付けてな、銀士。」

『あぁ、行ってくる。』

ーーーーーバサァ!!

そう言うと、銀士はキレイな白銀の翼を羽ばたかせ、飛んでいった。