少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


「銀士、その方法っての教えてくれ。」

『お前らの兄妹愛にはやられた。
 流星と琉南さんに協力してやる。
 魔界の王もさぞ怒ってんだろうが……。』

「さっさと教えて。」

怖いって、琉南。

『そう急かすな。
 方法はただ1つ。
 魔界の王を殺すことだ。
 そうすれば、次期王に政権が渡る。
 次期王は、奴隷制度が気に入ってないからなぁ。』

「よし、じゃあ行くか!!」

『流星、お前は馬鹿か?
 3人じゃ、王に勝てるわけねぇだろ。
 しかも、王のところに行くまでに何千もの兵士がいるんだ。
 でも、人間界には王を裏切った魔界人がいる。
 紫子というんだが……。
 そいつに会えれば、兵士ぐらいは楽勝だろ。
 そして俺が裏切ったことでまた魔界人が送られてくる。
 そいつも仲間にすればいいだろ。
 "扉の鍵を握る者"ってのは、かなりの力を持ってるらしい。
 それがみつかれば、王に勝てる確率は格段にあがる。
 王が魔界の城にいるのは、ちょうど1ヵ月後の8/25だ。』

「それまでにその紫子ってヤツを見つけ出せばいいんだな?」

『あぁ、気配はかなり近くにある。』

「特徴とか、ねぇの?」

『身長は160ぐらい。
 紫色の目と髪。
 左目は髪でほとんど隠れてる。
 あと、あいつが一緒にいるのはお前らと同い年ぐらいの男だ。』

「わかった。
 まずは、友達あたってみるか。」

『あぁ、そうしてくれ。
 俺は空から探す。』

「空からって……魔界人って、空飛べるの?!」

『あぁ、普通だろ。
 魔界人はみんな飛べる。』

へぇ~魔界人ってすげぇ。