*side 良人*

ーー昼休みーー

「……なぁ、良人!」

「な、何? 春樹、いきなり。」

「いきなりって……。
 俺ら、さっきからしゃべってたよな?」

「あ、そうだったけ、流星。
 ごめんね、で、なんの話だったっけ?」

三城 春樹〈さんじょう はるき〉と坂牧 流星〈さかまき りゅうせい〉は中学生の頃からの友達。

2人とも、見掛けは少し……というか、だいぶチャラチャラしてるけど、しっかりしてる。

「明日から夏休みだろ?
 だから、どっか遊びに行こーぜ、って話をしてたの。」

「あぁ、そーだったけ。」

「はいっ、はーい!!
 俺、プール行く!!」

「え、男3人で?
 うわっ、虚しい……。」

「だって俺ら彼女いないじゃん……。」

「「あ、良人!!」」

「え、僕?」

「お前、こないだ告られてたじゃん!!
 どーなったの?!」

「どーなったって聞かれても……。
 断ったよ。」

「「はぁああぁぁあぁ?!?!?!!?
  断ったぁああぁぁあぁ?!?!?!!?」」

「しィーーーーーっ!!
 声が大きいよ!!」

「悪い……。
 でもなんっ……」

ーーーーーきーんこーんかーんこーん♪

「春樹、ドンマイ。」

「うっせ!」

チャイムが鳴って、5時間目の授業が始まった。