少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


ー坂牧家ー

「琉南、ただいまー。」

「おかえり。
 ……誰、こいつ。」

初対面の人にむかって"こいつ"とか言わないでしょ。

『俺は、銀士。
 よろしくね、琉南。』

「気安く呼び捨てにしないで。
 琉南"さん"でしょ?」

怖いよ、琉南。

『よろしくね、琉南"さん"♪』

銀士、こめかみに青筋出てきてますけど。

魔界では、来るもの拒まず、去るもの追わずみたいな感じだったんだろーな。

でも、琉南はそう簡単にはコロっといかないよ。

「琉南、話があるんだって。
 飯食いながら話しようよ。」

「いいよ。
 もう少し待ってて。」

俺は銀士を俺の部屋に通した。

『おい、お前。』

「んだよ、俺には流星って名前があんだよ。
 さっきも言ったろ。」

『あぁ、そうだったか?』

もの覚えわりぃなぁ!!

『流星の妹、可愛げなさすぎる。
 んだよ、何様だよ。』

俺からしたら、お前の方が何様だよってかんじなんだけどなー……。

「しょうがねぇだろ、もともとあぁゆう性格なんだから。
 銀士、絶対に琉南のこと起こらせんなよ。
 織れもお前も殺されかねないぞ。」

『殺せるもんなら殺してみろよ。
 たかが人間に魔界人が負けるかよ。』

気の強いヤツ。