少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


って、普通は笑いたくなるところだけど……

こいつ、まじだ。

「……ぇ?」

『だから、人間界を征服しにきたんだよ。
 いや、正しくは"扉の鍵を握る者"を探しにきた。
 紫子のヤツが寝返ったからな。』

"紫子"て誰だ? 仲間か?

「その"扉"ってなんなんだ?」

『人間界、魔界、天界をつなぐ扉だ。
 その扉が開くか壊されれば、それぞれの世界を自由に行き来できようになる。』

「行き来できようになって、それぞれの世界にメリットはあるのか?」

『んなもんねぇよ。
 人間界と天界には……なぁ。
 魔界にはもともと奴隷制度がある。
 その奴隷が足りなくなってきてる。
 魔界の王は急遽、人間と天界人を奴隷としてむかえいれてやることを決めた。』

「……よく、わかんねぇ……。」

『ほんっとお前は低能だなぁ。
 お前じゃ話にならねぇ……。
 お前のうちに頭のいいヤツはいるか?』

「あ? あぁ、妹がいる。」

『じゃあ、その妹に会わせろ。』

「会わせてやってもいい。
 その代わり、条件がある。」

『なんだ、言ってみろ。』

「妹には指1本触れんじゃねぇぞ。」

『なんだ、そんなことか。
 いいだろう。
 お前の家まで案内しろ。』

んだよこいつ!!

何様だぁ?!

にしても、魔界人が存在するなんて……。

しかも、人間界と天界を征服するとか……

よくわかんねぇよ。