少しばかり不幸な僕と少しばかり怖い魔界人


外に出てきたのはいいけど……

クソあっつい!!!!!!!!

今までクーラーがきいてた部屋にいたから、なおさらだ……。

コンビニ行って、アイスでも買ってくか……。

そう決めて、コンビニまでトボトボと歩いていると……

「っきゃあぁああぁぁあぁ!!!!!!!!
 どろぼーーーーっ!!」

若い女の人がチャリに乗ったおっさんを指さしている。

よっしゃ!! つかまえてやろーじゃん!!

俺はそう意気込むが……

チャリのおっさんに、走りの俺が勝てるわけなくねぇ?!

すると……

『どんくせぇなぁ。』

こんな声が聞こえてきた。

すると、どんどんおっさんに近付いてる!!

俺、こんなに早く走れたの?!ってぐらい速い……。

ーおい待て! おっさん!!ー

あれ?! 声が、でねぇ……。

『おっさん、泥棒はいけねぇよなぁ。
 いい年して、なにやってんだ?』

「っひ……。
 ごめんなさい……お返ししますから。」

おっさんは小さい悲鳴をあげ、盗ったかばんを差し出してきた。

『こんなこと、2度とすんじゃねぇぞ。』

「はひっ!!」

あーぁ、逃げたよ、おっさん。

『はい、どうぞ。
 今度から気を付けるんだよ。』

「……は、はい///」

お姉さん、顔赤く染めちゃってるよ。