『簡単に言えば……
 魔界の王様を殺す。
 それが唯一の方法。
 次期王様の方は人間界と天界を征服するのを嫌がっている。
 次期王様に政権が渡れば、この計画は白紙になる。
 タイムリミットは……1ヵ月。』

"魔界の王様を殺す"

"タイムリミットは1ヵ月"

『簡単じゃないよ。
 王様は強い。
 ボクでも敵うわけがない。』

「……わかってる。
 紫子、協力してくれる?」

『ボクが人間に協力?!
 勝率なんて1%あるかも分からないんだよ?!』

「……大丈夫。
 僕と紫子ならなんとかできる。」

『そんな自信、どこからでてくるの?』

「自信なんてないよ。
 ただ、なんとなく出来る気がするんだ。」

『そんなの……信用できるの?』

「……分からないよ。」

『人間って、面白いね。
 勝率なんてほとんど無いのに……。』


「勝率は完全にないわけじゃないでしょ?
 たとえ、1%しかなくても、その1%に僕は賭けるよ。」

『気に入ったよ、良人。
 ボク、協力してあげる。』

勝てるなんて、思ってないよ……。

でも、そう思ってないと精神的にキツイんだよ……。

僕は知ってる。

"鍵を握る者"が誰なのか……。

だから、僕が守らなきゃ。

姉さんを……。