「何で、他の子には優しくするの? 何で、あたしにだけ冷たいの? 何で、付き合ったの? 何で―――」 ―ギュ 「な…にっ…!」 「聞いて、美空。」 「嫌だ!聞きたくない!やだ!嫌!やだ!嫌!」 それからあたしは“やだ!”と“嫌!”をひたすら繰り返した。 「……美空…聞いて………」 すごく、寂しそうな…、儚く崩れ落ちそうな… 初めて聞く、竹琉の絞り出すような声。 その声に、あたしは思わず 「…うん」 言ってしまった。