『大丈夫だよ江里子さん、彼ら夫婦とは此処に来て初めて会ったんだ。それにね、さっき刑事さんが言ってたんだけど死亡推定時刻の深夜1時には僕と一緒にいたんだからね』

雄一郎に肩を抱かれながら倉庫に向かう。

とりあえず倉庫を仮の取調室にしているらしく、中には四人の刑事らしき人物と二人の制服警官がいた。

『申し訳ありません、御主人様は廊下で待っていて頂けますか?一応形式だけお伺いするんですけど一人ずつって決まりなもんで』

背広姿の男が、雄一郎を制する。
 愛想だけは気味が悪い程いいのだが、その目は笑っていない。

『でも彼女は…』

『私は大丈夫、雄一郎さん待ってて』

まだ何か言いたそうな雄一郎を残して倉庫に入る。

『すいませんね、すぐに終わりますから』