(何してるのよ…早く早く…)

永遠にも感じられる時間の後、画面に通話中の文字が浮かび上がった。

『早く!お願い…早く来て!』

携帯を耳に当てず、そのまま絶叫した未音は返事も聞かずにベッドに潜り込む。

早く多恵の所に行って手当てをしなければ…と考えたが、もう外に出るのは嫌だった。

今頃になって凄まじい恐怖が沸き上がってきた未音はシーツを頭からかぶる。

パジャマに着いた血の臭いで嘔吐しそうになるのを必死で堪えながら、ひたすら弓暢が駆け付けてくれるのを待った。