康太は眠っていた。

だいたいが夜更かしをしない生活だし、親元から大学に通っているので未音達のような自由は無い。

一人暮らしを考えた事もあったが、面倒臭がりの自分に果たして勤まるかどうか。

それを考慮すると食事の問題や洗濯等を気にしなくていい今の生活がベストという結論になった。

熟睡するタイプなので夢も見ない。

だから枕元の携帯が鳴っているのに気付くまで2分以上を要した。

最初は目覚ましが間違えて鳴りだしたと思い、時計を叩いてみる。

何回か留守電にに切り替わったようだが、余程の急用らしく何度もかけ直してきた。

『はい…もしもし』