一回、二回…その時、明るくなった部屋で鏡を見た未音は絶えられずに絶叫した。

もうどうする事も出来なかった。

恐怖が恐怖を呼び、未音の精神を蹂躙した物体は、何とか耐えていた最後の一線を簡単に破ってしまった。







『何でも知っているぞ             高木ケンジ』







鏡にはルージュでそう書かれていた。