the second 〜永遠の恋人〜

確かに繁華街からは離れた場所にある未音のマンションは表通りに昔ながらの商店が並び、裏に10メートルも入ると途端に土が顔を覗かせる。

更に石段が設置されていて小高い中腹まで登れる丘になっていた。

『あそこが最適だ。他にすれば何処も遠くなる。こんな重い荷物抱えて遠くには行けないじゃないか』

『でも…』

確かに弓暢の言う事も分かるが、それではマンションの階段にある踊り場の窓から現場が見えてしまう。

これから毎日そこを見なくてはならないのだ。

深夜になると土中から慶子の腐乱した手が突き出てきそうで未音は全身の毛穴が恐怖で開きそうになった。

『未音は落ち着いたら引っ越せばいい。何ならしばらく実家に帰ればどうだ?』