そんな紗耶香の声が聞こえたのか、僅かに唇の端を歪めた男は顎をしゃくって紗耶香を中に招き入れた。
(何だか気に入らない奴…適当に済ませて早く帰ろうっと)
後ろ手にドアを閉めながら紗耶香は肩をすくめた。
今夜は毎週欠かさず見ている連続ドラマがあるのだ。しかも先週ビデオに録画してそのままだから、始まる1時間前からテレビの前に座らなければならない。
別に見る暇が無かった訳ではないが、何となく録画した分と今週の分と両方一度に見ようと我慢してたのである。
今夜の分も一応予約はしてあるが時間に間に合わないとまた来週まで待たなくてはいけない。しかも来週は3時間連続で見なければ!
『あの…電話して頂いた時に聞いて貰ったと思うんですけど、前金で五万円です。時間は2時間。あと此処までのタクシー代もあるんだけど、お客さんタイプだからサービスしちゃおっと』
寸分の隙も無い笑顔で毎度の決まり文句を言う。これで大体の男は、次回も指名してくれる。
(何だか気に入らない奴…適当に済ませて早く帰ろうっと)
後ろ手にドアを閉めながら紗耶香は肩をすくめた。
今夜は毎週欠かさず見ている連続ドラマがあるのだ。しかも先週ビデオに録画してそのままだから、始まる1時間前からテレビの前に座らなければならない。
別に見る暇が無かった訳ではないが、何となく録画した分と今週の分と両方一度に見ようと我慢してたのである。
今夜の分も一応予約はしてあるが時間に間に合わないとまた来週まで待たなくてはいけない。しかも来週は3時間連続で見なければ!
『あの…電話して頂いた時に聞いて貰ったと思うんですけど、前金で五万円です。時間は2時間。あと此処までのタクシー代もあるんだけど、お客さんタイプだからサービスしちゃおっと』
寸分の隙も無い笑顔で毎度の決まり文句を言う。これで大体の男は、次回も指名してくれる。


