幼い頃から中学、高校と康太は未音のボディガードだった。

未音の幸せの為だったら何だってする。

『もう立ち直ったか?…あの事件からさ』

『事件?…全然大丈夫、だって立ち直ってなかったら、あれから二回もスキーなんか行かないわよ』

『ハハハ、そりゃそうだ。普通の女ならスキーなんか懲り懲りってなるよな』

『いいの、私はスキーにかけてるんだから……でもそろそろ潮時かな』

『潮時ってスキー止めるのか?』

驚いて康太は未音を振り返った。

髪が風になびき少女のように見える。

『康太ホントは知ってるんでしょ?…私と弓暢先生の事』

『…』