『じゃあ結局君が第一発見者ってわけだ。君が死体を発見した時にちゃんと通報していれば藍原さんも怖い思いをせずに済んだのにな。彼女に謝っておけよ…ってもう会う事もないか』

『それは…それは申し訳ないと思ってます。そうすれば彼女も死体なんか見ずに済んだと思いますし。でも僕だって気が動転してたんです』

『初めてじゃないんだろ?死体を見るのは…君の話じゃあ和歌山の事件の方がずっと猟奇的だったそうじゃないのか?』

『紗耶香は…彼女は美しかったです。全然怖くありません。まるで生きているかのようでした…』

紗耶香を思い出すかのように尚人の表情は恍惚としていた。

(和歌山の学生か…まぁ一度調べてみるか…でも遠いな)