『君の話を信じない訳ではない。私は刑事だ。…過去のパターンからこういう状況では人間はこういう行動をする等といったプロファイリングには全く興味が無い。必要なのは真実だけだと思っている』

鬼頭は無表情に呟いた。

その言葉には全く感情がこもっていない。

勿論声に抑揚はあるので人間が喋っているのは分かるのだが、そこから彼が何を感じているのかは誰にも分からなかった。

蛍光灯がクリーム色の壁に反射して眩しい。

尚人はカラになったコップを口元に持っていき、水が入ってない事に気が付くと、ため息で肩を下ろした。

『じゃあ信じて下さいよ刑事さん、僕は殺された人しか見て居ない。犯人は見ていないんだ』