『弓暢先生?…先生がどうして…』

弓暢の可能性を考えてみるが力無く頭を振った。

弓暢は確かに樹と一緒にタクシーで帰った筈である。それに弓暢がこんな事をする理由がない。

やはり酔った未音自身が暴れた…自分が暴れた?

どうにも納得が行かないが、そうとしか考えられなかった。

少し考えた未音は取り敢えず皆に連絡を取ってみる事にした。

時計を見るともう7時である。起きてから1時間以上も座り込んでボォっとしていたらしい。

(最近どうも時間経つの早いのよねぇ)

心の中で愚痴を言いながら、まず樹を呼び出す。

かなりの回数呼び出し音がなって留守電になるかなと思った瞬間、女性の声が携帯の向こうから聞こえてきた。