「お前が男に絡まれてあたふたしてる姿が目に浮かぶ。
クリスマスの時みたいに、さ」
「…っ……」
くつくつと笑う龍輝さん。
その笑顔を見つめながら、私の頭にはあの時のことが鮮明に浮かんでいた。
4人の男に殴られたり蹴られたりしていた龍輝さん。
男たちが私に気付いて、あっという間に囲まれて動けなくなって、声も上手く出なくて。
…そんな私を助けてくれた、傷だらけの龍輝さん。
優しい言葉、優しい瞳…。
私、あの時に龍輝さんのことを好きになったんだ。
「…っ…あ、あの時は突然でビックリしてただけですよ…!!
あんな場面、見たこと無かったんですからっ…!!」
自分の気持ちを再確認した瞬間から、頬が熱い。
それを隠すように別の場所に視線を向けた私に、龍輝さんは小さな笑顔で応えた。
「お前にしてみりゃあ、珍しい世界だっただろうな」
…その言葉は、私と龍輝さんは「住む世界が違う」という事実を突き付けるものだった。



