…お母さんを、忘れた…?
「龍輝さん…?」
それって、どういう意味…?
「…いや、なんでもない。
それよりこれからどうする? 戻って遊ぶ?まだ早いけど映画館戻る?」
「あ…えっと…」
…さっきの言葉、気になるけど…、でも龍輝さんはあまり話したくないみたい。
だから、なんでもない顔で龍輝さんを見る。
「…あの、私ここに居るんで、龍輝さんは遊んできてください」
ゲームセンターの中に行ったらまたさっきの子たちに会っちゃいそうな気がした。
私と龍輝さんが二人で居るところで彼女たちに会っちゃうのは嫌だし…、
映画館に戻っても、結局たくさんの人が龍輝さんを見るんだよね…。
だから、「行ってきてください」と微笑んで見せた。
でも龍輝さんは、ふっと息を吐いてからその場に座った。
「お前が行かないなら俺も行かない」
「え? でも…せっかく来たのに…」
「お前なぁ、俺が一人で黙々とウサギの人形取ろうとしてんの想像してみ?
恥ずいし気持ちわりーし、笑える」
………ぷっ…。
確かにそれは笑えるかも…。
「でも、龍輝さんならそういうのも似合いそうですよね」
「んなもん似合いたくねーよ」
「あはは」
「とにかく、お前が行かねーなら俺も残る。
つか、お前また一人でどっか行きそうだし?
探すの大変なんだから、目ぇ離せないだろ」
えー…?
もうどこにも行くつもりなんか無いのになぁ…。
「それに、だ」
「え?」



