「真由ちゃん!こんなとこに突っ立ってどうしたの?」

「わっ!? ゆ、優ちゃん!
ビックリしたぁ…おはよ…」

「おはよ。で、どうしたの?
みんなもう来てるじゃん、行かないの?」

「うーん…」


…正直、あんまり行きたくない。

「四聖獣」のオーラはハンパないし、十朱さんの態度にもへこんじゃったし…。


「…ねぇ優ちゃん。優ちゃんは四聖獣と一緒で緊張したりしない?」

「ん?」

「ほら、みんな凄く注目されてるじゃん。
だから緊張しちゃうなぁと思っ…――」


――…うわ。

て言うか優ちゃんも、シンプルな服なのにめちゃくちゃ存在感あるんですけどっ…!!


白のシャツにデニムの上着、それとお揃いのショートパンツ。
シンプルすぎる服装なのに、めちゃくちゃ似合ってるしオーラもハンパない…。


「…もうやだ、帰るー…」

「え!? ちょっと真由ちゃん!!」


…今更ながらに、優ちゃんの凄さを思い知った。

ううん、優ちゃんだけじゃなくて、四聖獣の凄さにも圧倒された。


居るだけで場の雰囲気が変わる。そんな凄い人たちと一緒に過ごすなんて、やっぱり無理だったんだ…。

うん、みんなに気付かれる前に帰っちゃおう…。

そう思って歩き出したけど、




「まーゆちゃん!なんで帰ろうとするのさー?」


…大雅さんに腕を掴まれてしまった。