「………」


…それは、十朱さんだった。

メガネの奥の瞳が真っ直ぐに私をとらえるけれど、その視線はすぐに別の場所に移る。


うーん…。
やっぱり私、十朱さんに嫌われてるのかな…?


龍輝さんも大雅さんも武蔵野さんも私に優しく笑いかけてくれるけど、
十朱さんとはほとんど話したことが無いし、彼の笑顔は一度も見たことが無い。

大雅さん曰く、「それが朔ちゃん」らしいけど…。




(…ああいう態度取られると、やっぱりショックだな…)


これから一緒に過ごすのに、朝からこんな感じで大丈夫かな…。


楽しみにしていたはずなのに、不安が募る。