「…龍輝、それ“面白い”とは違うんじゃない?」
「え? そう?」
「なんかムカつくー。
俺の知らない真由ちゃんを知っててさぁ、自慢してるみたい」
「自慢て。別に何も言ってねぇだろ」
「んじゃ、のろけ」
「はぁ?」
…ギャーギャー騒ぎ出す龍輝さんと大雅さん。
武蔵野さんと優ちゃんはそれぞれ顔を見合わせて呆れ顔。
…あの時の龍輝さん、私のこと「可愛い」って思ってくれてたんだ…。
泣きそうな顔してたなんて自分では全然わかんなかったし、それを龍輝さんは「面白い」って言ったけど。
…でも、私のこと少しでも頭にあったってことだよね?
あの時の私のこと、ほんの少しでも考えてくれてたってことだよね?
…再会した時、私は龍輝さんの目を見るまでわかんなかった。
でも龍輝さんは私を覚えていてくれた。
…嬉しいな。
凄く凄く、嬉しい。
女のことなんか興味無いって言ってたけど、でも私を覚えていてくれたのは事実で、
私を「可愛い」って言ってくれたのも事実、なんだよね…?
だからほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ、期待してしまう。
いつかは龍輝さんの隣に並べるんじゃないか、って、そんな風に思ってしまう。
……そんなこと、アリエナイのにね…。