…なんて思いながら見つめていたら、龍輝さんがふっと振り返った。
うわっ!!見つめてたのバレちゃった…!!
「俺の髪、なんかついてる?」
「え!? あ、や、違います…!!」
「んじゃあ髪色が変?」
「そんなことないです!!凄く似合ってます!!」
って、私テンパりすぎ!!
龍輝さんの隣の大雅さんはニヤニヤ笑ってるし!!
もう最悪っ…!!
「ほんとに似合ってる?」
「はい!その明るい茶色は龍輝さんの為にあるようなもんだと思います!」
「ははっ、なんだよそれ」
うぅ…笑わないで。
ほんとにそう思ったんだから仕方ないじゃん…。
「クリスマスん時と今、どっちがいい?」
「へっ?」
「クリスマスん時の俺、もうちょっと地味だったじゃん」
あ…そう言われればそうだよね。
今は明るい茶色。
あの時は、黒に近かったような気がする。
今はヤンキーな感じ。で、あの時は十朱さんのような優等生な感じ。
だからまさかこの人が、大学生4人をあっという間に倒しちゃうなんて思ってもなかったんだ。
「で、どっちがいい?」
「んー…どっちも似合ってますよ?」
「そうかぁ?俺はあん時の自分嫌いなんだけどなぁ」
「え、そうなんですか?」
……私はあの時の龍輝さんに一目惚れしちゃったんだけどなぁ…。
「あん時は俺、彼女と別れたばっかりで。
自暴自棄っつーか、全部どうでもいいって思ってた。
だから俺の人生の中で、あの日はサイテーな日だったってわけ」



