…なんか、凄く嫌な予感がする。

まさかとは思うけど…、また「付き合おう」とか言ってきたりして…?




「今度の日曜、俺とデートしてくれない?」




…あれ、違った。

なんだデートか。…って、デート!?


大雅さんと私がデート!?


「ちょうど見たい映画あったんだぁ。
それ一緒に見てくれるってんだったら黙っててあげる」


え、映画って、結構密着するよねっ…!?

そんなところに大雅さんと…?


「………」


…なんか、想像するだけでグッタリする…。




「…あの、デートとかそういうのは…」

「えー?じゃあバラしちゃっていいの?」

「うぅ…」


そんな風に言うなんて、ズルイ…。

行かなきゃ私の気持ちがバラされるってことは、行く以外は無いじゃん…。




「じゃ、日曜日よろしくね!」

「へっ?」


窓の向こうの姿がふっと消える。


「あ、ちょっ…大雅さん!!」


慌てて外を見たけれど…、もうそこに大雅さんは居なかった。




「…どうしよう…」


探しに行こうかどうか、迷う。

けれどもうすぐ次の授業が始まるし、大雅さんを追いかけて変な噂が立っちゃっても嫌だから、そのまま教室へと戻ることにした。




(…苦手なんだよなぁ、ああいう人)


いかにも「遊んでます」な感じの大雅さん。

あの人を見てると、なんか元カレを思い出しちゃうな…。