「龍輝って大体ここに逃げてくるからさぁ、俺も来たわけ。
でも二人を邪魔しちゃ悪いかなぁ?と思って裏に回ったら、ぐーぜん窓開いてて。
だから、そのままこっそり観察してたってわけ」
「う…」
…大雅さんに、龍輝さんとのこと全部見られてたし、聞かれてた…。
それに、龍輝さんが行った後の私の様子も…。
つまりそれって…、
「真由ちゃんは、龍輝のことが好きなんだね」
…やっぱり、バレちゃったってことですよね…。
うぅ…優ちゃんに次いで大雅さんにもバレちゃうなんて…。
……しかもこの人、絶対口が軽いっ!!
て言うか、「誰かに話したい!」って感じでニヤニヤしてるしっ…!!
「あ、あのっ大雅さん!!
お願いします! 誰にも言わないでくださいっ!!」
「えー?どうしよっかなぁ?」
「見逃してくださいっ!! お願いします!!」
私の気持ち、これ以上他の人に知られたくない。
とくに、龍輝さん本人には…。
「…じゃあさ、俺の言うことを1つ聞いてくれたら黙っててあげる」
「……え?」
窓の向こうの大雅さんが、にっこりと笑う。



