……優ちゃん、別に名乗ったりしてなかったよね。
なのに笠井さんは、「優ちゃん」って初めから呼んでたような…?
「…あの、笠井さん。
もしかして、優ちゃんとお知り合いだったんですか?」
ふと、疑問に思ったことを口にする。
そうすると笠井さんは、にっこり笑って人差し指を唇の前に当てた。
「他の奴にはナイショ。
アイツね、実は俺の彼女なんだ」
ドクン
心臓が大きく鳴る。
優ちゃんが笠井さんの彼女…?
「…優ちゃん、が…」
…全然興味無いような顔してた優ちゃんが、笠井さんの彼女…。
私、そんなことも知らずに自分の気持ちを…。
「………」
…優ちゃん、私の気持ちを知ってるのに、なんで何も言ってくれなかったの?
私を、騙してるの…?
「いや、マジな顔すんなよ、嘘だよウソ」
…え?



