私たちは今、裏方で作業中。

盛り上がるビンゴ大会の声に、私たちの存在は完全にかき消されてる。




「もしかして、龍輝さんと何かあった?」

「えっ…!?」

「最近ずっと喋ってないじゃん、見てればわかるよ」


……気付いてたんだ。

ううん、あんなにあからさまに避けたら、やっぱり気付くよね…。




「龍輝さんに“学校では近づくな”とか言われた?」

「そ、そんなことないよ!
…龍輝さんは、“色々話そう”って言ってくれてる」

「じゃあどうして?」

「え、っと…」


…どうしよう。

3年生に言われたこと、優ちゃんに話そうかな…?

でもそんなこと話したら迷惑だよね。

これは私の問題だし、それにきっと…、
…きっと優ちゃんには、私の気持ちなんてわからない。


…優ちゃんは完璧な子で、私の憧れだもん…。


わかるはず、ないよ…。




「…ごめんね。 なんでもないの」


だから、そう応えるしか出来なかった。

優ちゃんには言えない。

私の気持ちなんて、優ちゃんに話していいはずがない…。