……。


それから私は、龍輝さんのそばに近寄らないようにした。

優ちゃんと一緒に行動はするけれど、龍輝さんと会いそうな時はなんだかんだと理由をつけて離れる。


…龍輝さんはそんな私に何かを感じていたし、「どうした?」とメールをくれたりもした。

でも、理由なんて言えない…。

言えないから、「ちょっと忙しくて」と返事をした。


……きっとそんな嘘は見抜かれていただろうけど、龍輝さんは「あんまり無理すんなよ」と言っただけだった。




……。




私たちは、近づけたはずだった。
でも今はまた遠い。


…ほんとは近づきたい。 だけど出来ない。
近づくのが、怖い…。




…そうやって龍輝さんと離れたまま、学園祭の日を迎えた。