「あ、あのっ…い、一緒に居たいですけどっ…」

「けど?」

「こ、心の準備って言うかっ…体の準備とか、全然っ…!」


…って、何言ってんの私っ!?

うわっ…全然言葉がまとまんないっ…!!




「あ、あのっ…ほんと、凄く一緒に居たいんですけどっ…でもまだ、そういうのはっ…」


うぅ…なんか、喋れば喋っただけ変な感じに…。

これじゃまるで、“龍輝さんとのコト”を期待してるみたい…。




「ご、ごめんなさいっ…!! 今日は私、帰りますっ!!」


バッと後ろを向き、何度も何度も深呼吸。

どうしよう…龍輝さん、私のこと「変な奴」って思っちゃったかな…?


…変な奴、って思っちゃうよね…。
自分でも何言ってるのかわかんなくなってたし…。




「あの…ほんと、すみませ――」

「謝んなって」

「――え…?」


ふわり、龍輝さんが私を抱き締める。




「別に、今日で終わりってわけじゃねぇから。
ゆっくりでいいよ。 つーか俺も、ゆっくりじゃねぇと緊張しっぱなしで多分無理」


耳元で聞こえる声に、ふっと笑うのが混じる。



「な、キスしていい?」


へっ…!?

き、キス…!?