「あはは、驚きすぎ」

「そ、そりゃあ驚きますよ…!!」


…驚きすぎて、向かい側に座ってた時以上に距離を取ってしまった。

龍輝さんはそんな私に少しだけ残念そうな顔をしたけど、すぐにいつもみたいに笑う。




「まぁ、“好き”は“好き”のままでいいってことじゃね?
理由を求めたらキリがねーしな」

「あっ…そ、そうですよねっ…はい、その通りですっ…!!」


「よし、んじゃあそろそろ送るから準備しな?」

「え? あっ…はい…」


あー…。もう帰んなきゃいけない時間…。

時間が経つの早すぎだよ…。




「…もっと、一緒に居たいな…」


…ボソッと言った私に、龍輝さんはククッと笑う。

その顔はなんだか楽しそうで、嬉しそう。




「今日泊まってくか?」

「…へ?」


「だって俺も同じこと思ってたし。
それに、お前にそんなこと言われたらこのまま帰したくねぇじゃん」


遠かった距離が、また近づく。


「俺と一晩過ごしてみる?」

「…っ……」


かお、近いっ…。

そんな距離で言われたら私、ヤバいよっ…。