「………」


息を切らした龍輝さんが、私の腕を掴む。

呼吸を整えながらも真っ直ぐに私を見て、真っ直ぐに言葉を放つ。




「…ごめん。マジで、悪かった」


呼吸が落ち着いた頃、腕を掴む力も弱まる。




「…あの、さ。 これから俺ん家来ない?」

「え…?」


「あぁ別になんかしようとかそんなんじゃないから。
お前と二人で話したい。 だから、一緒に来て欲しい」


…真っ直ぐだけど、ちょっと困ったような瞳。


龍輝さんをこれ以上困らせたくない。
そう思ったから、思わず「行きます」と言ってしまった…。




……。




こうして私は、龍輝さんの住む家へ初めて入ることとなった。