天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ

突きも、蹴りも。

拓斗の攻撃は龍太郎に全く効果をなしていない。

「今度は俺からいっていいか?」

攻めあぐねる拓斗に焦れたように、龍太郎が言う。

構えたまま、ジリ…と足を動かしたと思うと。

「っ!」

左のジャブ!

腰の入っていない、腕の動きだけで放った拳。

しかし辛うじてガードした拓斗の腕が、ビリビリと痺れる。

牽制のジャブですら、拓斗には強打に感じられていた。