そのことを思い出し、マカの笑みが僅かに引きつる。

「そうなんですか。実はミナ先輩にご相談したいことがありまして…」

「ミナに?」

それと自分と何が関係あるのだろうかと、マカは首を傾げる。

「はい。さっき言った大会に出す人形について、ミナ先輩のご意見を聞いておきたくて…。それにマカ先輩は審美眼が素晴らしいと評判なので、ぜひともお二人にわたしの人形を見てもらいたくて」

「審美眼ってほどじゃないけど…」

昔から良い物を見て育ってきているせいか、マカは見る目が自然と養われていたのだ。

そのおかげか美術のセンスも良く、評判も良かった。

「どうでしょう? 今度のお休みの日に、お二人でウチに来てもらえませんか?」

「う~ん…。とりあえずミナに相談してから、答えるわ」

「そうですか。じゃあお返事、待っていますね」