『わたし』は『あなた』になりたい

洋館の一室で、彼女は人形を作っていた。

部屋いっぱいに置かれた人形達に、微笑みかける。

―が、ふと呼ばれた気がした。

人形を作る手を止め、窓を開け、外の空気をいっぱいに吸い込んだ。

「はあ…。良い風」

心地良さそうに風を感じる彼女の顔。

しかしその顔に、突如ピシっとひびが入る。

「…っ!」

慌てて手で頬に触れると、陶器にひびが入ったような傷ができていた。

しかし血は流れず、ただ割れているだけだった。

「拒絶反応…まだ一年も経っていないのに、早いわね」

彼女は苦笑し、窓を閉めた。