『わたし』は『あなた』になりたい

「わぁ、嬉しいです。ケーキ、大好きなので」

彼女は人形をベッドサイドのテーブルに置くと、普通の笑みを浮かべた。

「じゃあお礼に美味しい紅茶を淹れます。わたし、紅茶を淹れるの得意なんです」

そして三人は部屋を出た。

その後、リビングではたわいのない話で盛り上がり、夕方になって二人は洋館を出た。

洋館を出た後、ミナを先に行かせ、マカは改めて彼女と向き合った。

「さっきのアンティークドールのことなんだけど…」

「ああ、制作中のですか?」

「―誤魔化すな」

マカの両目が赤く染まり、低い声を聞いても、彼女の笑みは崩れなかった。

「お前が寝室に飾っていたあの人形のことだ。アレはリリスにもらったな?」

「よくお分かりになりましたね」

彼女は口元に手をやり、くすくすと笑った。

「お前…あの人形だな?」