眠れる森の歌い姫


話に夢中で、すっかり冷めてしまったスープをスプーンで掬って口に運ぶ。

今日の夕ご飯は、スープとパンだ。
アルは、色々な事を知っている。

料理だって、私より遙に上手だし…
遊びや言葉、他にも沢山の事を教えてくれる。

アルは、友達でも有り
家族でも有り
先生でも有るのだ

しみじみとそんな事を考えていれば、アルが私のお皿を片付けようとする

「あ!!まだ食べてるよ!!」

慌てて、その手を止めるも
きっぱりと

「なら、考え事なんかしてないで、速く食べなさい」

なんて、きっぱりと正論を言われて正される。