野良猫に翼を



…男はあたしの考えてることがわかったらしい。


でも、さ。お前が勝手に名乗ったんだろ、って話じゃない?


「…手当てしたのに」


それもお前が勝手に、


「ここまで運んで、手当てもして、俺のベッドまで貸して…」


うわ。この男、最っっ高にメンドクサイ。


「今メンドクサイって思ったでしょ。いいから早く教えてよー」


…はぁ。


「……のの」


「え?何?」


「…ちっ。湖谷(コタニ)のの!」


「お、喋った」


「…は、バカにしてんの」


「うーそ。のの、ね。可愛いじゃん、名前」


男は軽く微笑みながら言う。


「…黙れ」


「意外に口悪いね」


「…悪いかよ」


「いいんじゃない?」