普通に笑ってるように見える笑顔が 今は怖くて仕方ない。 忘れかけてた“あの時”を思い出す。 離して…、お願い…っ! 「陸クンは?」 「……っ」 怖い。 怖い。 怖い。 コーチはあたしの腕を掴んだまま もう片方の手で器用に自販機に お金を投入している。 掴まれた腕をブンッと振り払ってみても またぎゅっと掴まれて。 「ふーん。陸クン今いないんだ?」 「……」 微妙に震えている体。