「んぁ!陽菜子ちゃん!」 「え?」 どっかで聞いたことあるような、 いや、ないような…。 カフェオレと抹茶ラテを両手に持って くるっと振り返る。 「えっ…なん…で…」 「偶然♪」 私の前で手を振りながら立っていたのは 杏が好きな…あの、コーチだった。 「あたしっ急いでるんで…!」 「待ってよ」 コーチの横を通り過ぎようとした瞬間。 グイッとつかまれた手首。 「…離して下さい…」